第六章 対決、再び

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もし、スクランブルがかかれば… それはほとんど死を意味する。 先ほど顔合わせした565号機のパイロットはまだまだ子供っぽさを残していた。 「565号機には<英雄>が乗っていたんだ。必ず生きて帰ってこれますよ」 誇らしげに語っていたのを思い出した。 「そういえば、強化練成訓練中だった第一航空団がアーカレッドに帰ってきたそうだ」 田代さんが言った。 「今は南基地にいるそうだ。機体のメンテナンスが終わって、明日には北基地に来るそうだ」 「本当ですか!?」 「ああ、彼らが戻ってくれば心強くなるな」 「第一航空団も復活ですね」 「これで少しはましになればいいな」 ハンガーは蒸し暑い限りだった。 暗いムードも、今は少し希望に満ちていた。
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