第六章 対決、再び

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07/25 10:38 ■「南基地格納庫」 「くそっ~瀬戸さんたち、こんなめんどくさいことだけ俺たちに押し付けやがって」 「口より手を動かせ」 「ウォーお前はなんでそんな冷静でいられるんだよ!?」 「文句を言っても現状は何も変わらないだろ…よし、終わり」 有希はiPHONEのようなタッチパネルの「終了」ボタンをタッチして、全てのメンテナンスを終えた。 「終わったのか!? なら俺を手伝ってくれ~」 僕は構わず休憩室に向かう。 「見捨てるのか~!!」 それでも構わず休憩室に入った。 35℃のアラートハンガーは日陰が遮断されていると言っても蒸し暑い。 飛行服は濃い青に変色していた。 休憩室はクーラーが効いていて涼しかった。 「ああ、気持ちいい」 備え付けのソファーに横たわる。 久しぶりのゆっくりできる時間になぜか新鮮さを感じる。 それもそうだ。 この1ヶ月間、常に訓練で忙しかった。 朝起きて、すぐにブリーフィング、訓練飛行、帰ってきてデブリーフィング、そしてまた訓練飛行。 夜も使って実機によるイメージトレーニング。 これを1ヶ月繰り返したのだ。 疲れがどっと押し寄せてきた。 有希はそのまま目を閉じた。
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