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ステルス爆撃機が離陸する時のような激しい轟音は、彼の耳元、ズバリ零距離から一気にヒャッホー、という感じに駆け抜けた。
間違いなく破けた鼓膜を気にしながら、朝召 削夜は毛布からもそもそと顔だけ出した。
「…………あのさ、真実、もっと普通に起こ───」
「ハイ。とっとと起きる!」
今の季節にぴったりな冷たい言い方で、真実は削夜から布団を引っぺがした。
「……真実さん?止めてくれませんか、そういうの?お嫁にいけなくなりますよ。さ、布団を返しなさい。疾く返してたもれ」
「聞く耳持たん───ほら、早く起きてよ。私まで遅刻しちゃう」
「……でもなぁ。もう少し優しい起こし方があるっていうか、何ていうか……」
削夜がぶつくさ言いながらベッドから下りると、ドアの側にいた真実は、何を血迷ったのか、おもむろに制服を脱ぎ始めた。
「ちょっ……!?何やって……!!??」
慌てて体ごと反転し、真実の方を見まいとする削夜の背中に真実の声がかけられる。
「目が覚めたでしょ?早く起きないと放送コードギリギリの───」
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