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「だーーーっ!!もう!!
わかったわかりました!今すぐ起きます!!だから通常の放送コードに戻して下さい!極めて普通の!!」
「わかればよし。早く着替えて下に来てね。朝ご飯作るから」
言って、真実は削夜の部屋から出て行った。
「……はぁ……」
……ため息しか出てこない。
もう毎日がこんな感じなのだ。
頼んでもいないのに、わざわざ世話を焼きにくる幼馴染・早乙女 真実。
非常に頭がよく、化学にいたっては全国一位。
化学だけでなく、成績自体全国でもトップクラスだから手がつけられない。
もうホント「勉強しかやることないの?」と言いたくなるくらい頭がいいのである。
いや、もう化け物だ。
おまけに何と───。
「……ん?」
ふと、得体の知れない疑惑が浮かぶ。
〔………………何かこう、大事な事を聞き逃したような……?……はて、何だったか……〕
壁の一部となっている小型のクローゼットから、器用にたたまれた制服を取り出し、袖を通していると、何かとてつもない、それこそ「今から言うキーワードを覚えなければ、お前は死ぬ」的な意味が、真実の無意識下な台詞の中にあったような気がする。
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