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制服をちゃんと着こなし、机の上に置いていた眼鏡をかけて、必死に真実の台詞を思い出す。
『さっくーーーーん!!起きなっさーーーーーい!!!!』
これは最初の台詞。
……未だに耳が痛い。
間違いなく鼓膜が破れていると思われる。
だが、事態はそんなことよりも急を要する。
『ハイ。とっとと起きる!』
……これも違う。毎度の事だ。
つまり、削夜は真実に毎回こういう風に起こされている。
『聞く耳持たん。ほら、早く起きてよ。私まで遅刻しちゃう』
……聞く耳持たんて。
確認してもよいだろうか?
人には三大欲求というものがあって……いや、やはりこれも関係ない。
『目が覚めたでしょ?早く起きないと放送コードギリギリの───』
……何だ?放送コードギリギリって?
これも違う。となると、残ったのは最後の台詞。
『わかればよし。早く着替えて下に来てね。朝ご飯作るから』
「………………あ?」
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「あ゛あ゛ぁ゛あ゛ぁ゛あ゛あ゛ぁ゛----!!!!????」
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