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―そしてそのジョンはというと、クリスが番犬として自分の家に引き取った。
―まぁ徒歩で三十秒もない距離。
何があろうとすぐ駆けつけられるという利点を考慮すれば何も問題はないだろう。
……そうして夜は更けていく。
一刻一刻と。着実に。
夜の静寂に合わせるかのように、一台の運搬用の大型トラックが、闇に紛れながらゆっくりとケイト達の住む通りへと近付いて来た。
誰よりも一番先に異変に気付いたのは外で眠っていたジョンだった。
一切音のしないトラックの気配を、耳をピンと伸ばしてちゃんと感じ取っていた。
―子供達はおろか、大人だって誰も気付かない。
そもそも、この通りで犬がいるのはケイトとテッドの家だけである。
したがって、怪しいトラックの存在に感づいたのは、この通りではジョンただ一匹だけ。
ルイスは家の中にいるため、まだ気付いていない。
――車が止まり、複数の人間が移動する気配がする。
ジョンは即座に怪しいと判断し、大声でこの異常を主達に伝えるために、吠え立てようとした。
その時――
いきなり白い宇宙服のようなものを着た人間達が、ジョンのもとへと雪崩れ込んで来た。
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