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「で、結局どっちが泊まる?」
この二人の少年にとって、お泊りは既に決定事項。
問題はどちらが泊まるかだが……
にわかに玄関での談笑が途切れたかと思うと、クリスがキッチンに戻ってきた。
「はぁ。フィーナって話が少し長くなるのが玉にキズよね」
今しがた立ち話をしてきた相手の愚痴をこぼす。
…………その長話に乗ってしまう自分は勘定に入れていないのだろうか。
「あぁ、テッド。駄目よ今の私の独り言、フィーナに言ったら……しまった。言っても意味ないわね」
心底マズイという風な顔をして、クリスは後を向いて頭を抱えた。
ケイトとテッドが顔を見合わせて、意地の悪い笑みを浮かべたのを見てしまったからだ。
……いや、ケイトとテッドに愚痴を聞かれてしまった時点で、約一日後には、目くじらを立てたフィーナに謝罪しなければならないのは必然だった。
「……はぁ。まぁいいわ。ところでテッド。今日……今からフィーナ達出かけて家にいないんでしょ?」
「うん。で、今どっちがお泊りするか決めてたんだ」
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