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「だったらケイト。アナタが行きなさい。テッドがこっちに来たらテッドの家に誰もいなくなってしまうし、こっちにいたっていいことないかもよ?」
後半を脅しつけるように言うクリス。その目が語っていた。
ばらしたらご馳走はないわよ?……と。
「おいおい。ただのお泊り会だろ?子供二人で家にいる方が心配じゃないか?」
――ジャンクスが間に入るが、その通りである。
いくら斜め前の家だからといって、幼い子供二人を家に置いておく方が、どちらかというと不安である。
「違うわよ。確かに子供二人じゃ何があるかわかんないけど――」
「ママ!」
――最後まで聞きなさい、というクリスの眼差しに、思わず叫んだケイトは黙り込んだ。
子供扱いされたくない年頃なのだろう。
「私が心配してのは貴方たちの後にいる二匹の雄の事よ」
ウォン!
まだ朝食をもらえない二匹の雄は、揃って声を張り上げた。
「どういう事だ?」
さっぱりわからない。といったふうに、ジャンクスがクリスの方を振り返って言う。
「ニュース見てないの?」
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