十八の悲劇

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「強盗は七人…人質は十人以上、その人質の前に見張りが二人いるから私達は迂闊に近寄れない状態ね。」 何かいい策はないかと考えるものの、いい策があれば現在待機する必要もない。 〈垣本さん、ところで…〉 大和からの通信。 〈少し前に入ったばかりの、あの新人はどこに配置したんですか?〉 新たな新人の話を先輩となった大和が問いかける。 「城崎(きのさき)のこと?今日は休暇のはずだけど…あの子にとっては大事な日だから、今いれば楽だったんだけど。」 いないのに言っても仕方ないと垣本は現実に目を向けなおす。 城崎という名前の新人は、垣本が認めるほど優秀な人材のようだ。 「さて…せめて人質の前の二人がいなければ…。」 そう言うと、どうにかして犠牲を払わずに皆を救出する方法を再び考え始めていた。
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