十八の悲劇

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「多分、それが普通なんじゃない?こんな状況で逆らおうとするほうが異常、つまり命知らずよ。」 そう言って二人を励ます女性。 「なぁ俺達も、この人に協力しないか?俺達は二年前も死んでもおかしくなかったのに今、生きてる…それにこのままいても時間の問題だろ?」 学にしては珍しい正論、目も彼女と同じく自信に満ち溢れていた。 だが足は震えている。 「はぁ…そうだな。潔くやられるより抵抗してからやられたほうがマシ、普通より異常だよな!!」 溜め息をついた真人も恐怖心はあるものの、今の状況を切り抜けるにはそれしかない。 「あなた達…わかったわ、もし上手くいったら何か美味しいもの奢ってあげるから死んじゃだめよ?」 ニッと微笑んだ女性は、こんな状況なのに恐怖心を抱いてないように見え、この人となら大丈夫と思える不思議な人だった。
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