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ガチャ
汚れた部屋だった。
モノが散乱している。
しかし、これがいつもだ。
バザッ
とりあえず薄いバッグを勉強机の上に投げる。
長い間、その机で勉強していないが。
涼介(ん…?)
一瞬、いつもの部屋にいつもじゃないモノが視界の端に入った。
何か人影の様な…
涼介(母さん…?)
振り向くと自分のベッドの上に座る人がいた。
涼介(…?)
見知らぬ少女だった。
頭の中が混乱する。
栗色の長い髪に、小さな顔。
白いワンピース
瞳は大きく、顔は幼いが整っている。
歳はタメか…少し下。
少し気の強そうな顔つき。
一言で言うなら美少女。
この言葉がピッタリだ。
混乱して言葉が出ない間に、少女は無言でゆっくりと立ち上がった。
背は割りと低くく150は無いだろう。
残念ながら胸も無い…。
…何が残念なんだ?
涼介「あんた…誰?」
間抜けな声を出してしまう。
少女「私?…私は幽霊」
…。
さも当たり前という顔で言った。
涼介(…?なんなんだ??何かの冗談か?)
涼介「で…誰?」
少女「信じなさいよ!…まあ仕方ないわよね、いきなり部屋に幽霊がいても信じないか」
一人で納得した様に言う。
涼介(おいおい嘘だろ…!もし幽霊だとしても、私、幽霊です。なんて絶対に言わないはずだ…)
涼介「あっ!妹の友達?…それか母さんの知り合いでしょ!母さんドッキリ好きだからな」
少女「どっちもハズレ、正真正銘の幽霊よっ」
なぜか胸を張って言いきった。
涼介「またまたぁ♪」
少女「………」
涼介「マジ…?」
涼介(おいおい…まさかホンモノ!?)
ガツンッ
俺は思わず後退りして、勉強机に腰を打ってしまう。
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