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少女「と言うわけで、今日からあんたが幸せになるまで傍にいるから♪よろしく、観月涼介!」
一歩近より、手を差し伸べてきた。
握手を求めているのだろう。
俺は机に寄りかかったまま、仕方なく握手する。
涼介「よろしく…」
彼女の手は小さく、柔らかい。
涼介(いや待て待て、やっぱり可笑しいぞ。今、俺は幽霊と握手している…幽霊って触れるのか?まあ、実際に触ってるんだから…触れるらしいな…というか)
ゆっくりと手を離す。
涼介「あのさ…恩返しって言ったけど、俺あんたに恩を売った覚えが無いんだよね」
少女「別にあんたが覚えてるとか覚えてないとか、関係ないの。私はあんたに恩を返す…それで、あんたが幸せになる!これが私の使命なのよ」
また悪戯っぽく微笑んで、こちらを見上げる。
涼介「じゃあ、あんた…」
少女「さっきから、あんた、あんた、失礼なヤツね。私はアキ!明るいに、季節の季で明季よ」
名前を聞いていないのだから、仕方ない気はするが…
しかし、ここで反論したら、何か言われそうなので止めておく。
涼介「じゃあ明季は…俺の為に何かしてくれるの?」
明季「そうよ、あんたが幸せになるならね♪」
涼介(と言われても、何をして欲しいかなんて、思い付かない)
涼介「分かった。まあ、して欲しいこと思い付いたら呼ぶから。天国に帰っていいよ」
明季「あんたバカ?さっきも言ったでしょ。あんたが幸せになるまで傍にいるって。そうしなきゃ帰れないのよ…」
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