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食堂に着いた俺達はそれぞれ夕食を注文する。俺はそんなに腹が減っていないのでラーメンを、如月も同じらしく、きつねうどんを頼んだ。
夜とはいえ、晩飯を作るのが煩わしい生徒達が結構いる中、俺達は代金を払って飯を受け取り、できるだけ人の少ない一角に座る。
それからしばらくは、お互い声を出さずに黙々と晩飯を食べ続けた。
「んで、何か話したいことがあるんじゃないのか?」
完食間近、俺の方から沈黙を破り、麺をすする。チラッと如月に目を向けると、麺を口に運ぼうとしていた手が止まっていた。
一向に話し出さない彼女を余所に、俺は食事を続ける。
やがて俺が食べ終わった頃、如月は意を決したように顔を上げ、
「このコードって力のこと、唯達に話そうと思う」
真剣な表情でそんな言葉を口にした。
驚きはしたものの、落ち着いて言葉を返す。
「いいんじゃないか」
途端、真剣だった如月の表情が崩れ、怪訝なものへと変わる。
「随分あっさりね。てっきり何か言われると思ってたのに」
「俺だって言おうと思ってたからな。修司さんも言っていいって言ってたし」
巻き込まれた以上は龍牙達にも知る権利がある。それに、友達に隠し事って嫌だからな。教えた方が俺もコソコソしなくて動きやすい。
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