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そして教室に移動した俺達。
俺は鞄がないので、とりあえず魔術書を片手にみんなの支度が終わるのを待つ。
そして教室を出た頃、朝に思い付いたことを言ってみた。
「なぁ、これからみんなで如月の部屋に行ってみないか?」
すると揃ってばつの悪そうな顔をする龍牙達。
何か変なこと言ったか?
「あのね、光輝……」
そう考えてると、なんとも言いづらそうに翔が口を開く。
「……皐月は絶対に出てこないよ」
冷たい言葉が突きつけられた。
絶対に出てこない……それは推定じゃなく、断定。
口から言葉が出ることはなく、ただ何でそう言い切れるのかという疑問が浮かぶ。
「この際だから言うが……」
そして翔に続くように口を開いた龍牙。
心臓の鼓動がやけに早くなる。
何だ、この胸騒ぎは……?
「お前も何度か気になってたと思うけど……皐月は前にも一度同じことがあったんだ」
――あぁ、やっぱりそうか。
前から聞きたかったことなのに、聞きたくない。
聞いてしまえば、何かが変わってしまいそうだから……。
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