再びの学園行事

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何だかんだであっという間に週末を迎え、そんな感じで体育祭当日。 天候は文句なしに晴れ渡り、7月の強い日差しが容赦なく俺達を照り付けていた。どうせなら曇ればよかったのに……。 辺りを見回せば、白地で襟元に緑のラインが入った上着と、緑の生地の両端に腰から裾にかけて白いラインの入ったズボンという組み合わせの体操服に身を包んだクラスメート達が、グラウンドに整列している。胸元と背中には緑色で自分のクラスのアルファベットが書かれたゼッケン。もっと右側に行けば、赤の2年生。さらに奥に行けば、青の3年生が整列しているだろう。 そして何より、グラウンド前面にある教員用のいくつかのテントと、左右後ろには俺達がわざわざ教室から持ってきたイスの数々。前から思ってたんだけど、どうして教員だけ日陰の中に入れるんだろうか? 月曜日に見た殺風景なグラウンドは、嘘のように賑わっていた。 「突然だが、ここで俺から話がある!」 体育祭の開会式を一通り終え、生徒全員で行う準備体操も終え、あとは解散というところで、生徒会長である隼人先輩が壇上でマイクを取った。 何事かと耳を傾ける生徒達。早く終われと表情に出ている。 「知っていると思うが、毎年一部の競技でケガ人が出ている。勝負に熱くなるのは構わないが、熱中するあまり加減を忘れないように。それと、もちろん武器の使用、能力の発動も禁止だ。ルールを守って、正々堂々と戦ってくれ」 ……ん? なんか違和感が……。何で武器の話が出てくるんだ? これって体育祭だよな……?  
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