再びの学園行事

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待て待て、待てよ? となると、他の競技も……。 「どうした、光輝? 頭なんて抱えて」 「……何でもない」 諦めた。何が来ても受け入れてやる。 《ここで改めてルール説明! 障害物競走といえば皆さんご存知の通り、トラックに沿って置いてある障害を攻略してゴールを目指してもらいます! ただまぁ、これは置いてあると言えるんでしょうか……。おっと、失言失言。そして、1着でゴールしたクラスには高得点、以下得点は下がっていき、5着のクラスには点は入りません! 無得点は厳しいですねー。それと、途中で失格になったクラスも無得点です。もちろん魔法の使用はあり! ただし、走者に対しての攻撃は失格になるので注意してください》 競技の実況ができないからか、無駄に語り出す放送委員の綾部さん。この人ダメかもしれない……。本気でそう思った。 《それでは選手達に入場していただきましょう! 内容がわからないように1走者ずつです》 未だに黒幕が引かれた入場門から、幕と幕の隙間を抜けて第一走者の5人が登場する。スタート地点に並ぶ選手は、トラック内側からD、E、A、C組。そして一番外に、B組の翔だ。 5人共、トラックに並ぶ障害物の数々に頬が引き攣っている。そりゃ、当事者はそんな反応するだろうな……。 最初の障害はハードル。ここまでは普通だ。 次に平均台が2つ。しかも、左右には蟻地獄らしき穴。見た目はこれだけだが、簡単すぎて他に仕掛けがありそう。 3つ目にはよくわからないボックス部屋。トラック半周地点の直線を使ったかなりの奥行きで、赤と青の垂れ幕で入り口が2つある。中はどうなってるのかわからない。 4つ目は地面が凍っていて、トラックの内外に3人ずつ人が待機している。恐らく体育祭実行委員。絶対何かするつもりだ。最早障害“物”ですらない。 そして最後。凍った地面と繋がるように存在する、底の見えない断崖。いくら身体強化を施しても、凍った地面を蹴って3メートル程の距離を跳び越えるのは難しい。 この競技、もしかしたら全員失格になってもおかしくないな……。  
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