再びの学園行事

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トップとの差はあれど、4人はようやく3つ目の障害に差し掛かる。 傍から見ればまったくの謎に包まれたボックス部屋。部屋と言うよりトンネルと言った方がしっくりくる。 それの入口に近付いた翔は、わずかに思案した後、右側の青い垂れ幕を潜って中に入った。外からじゃ中の様子はわからないため、俺達は固唾を呑んで成り行きを見守る。 《只今のトップはB組! 追い掛けてきたC、E、A組も次の障害に突入! まだまだ勝敗はわかりません!》 実況通り、翔を追ってきた3人も垂れ幕を潜る。C組の女子とE組の男子は翔とは逆の赤へ。最後尾のA組の女子は、2人を追っても逆転できないと判断したのか、翔と同じ青い垂れ幕を選んだ。 ……んでもって、4人共なかなか出てこない。 「中で何が起きてるのよ……?」 耐え切れずに唯が身を乗り出すと同時に、1つの影が出口から飛び出した。 《これは一体どういうことでしょうか!? 2番目に突入したはずのC組が、B組を抜いてトップに躍り出ました!》 「はぁ!?」 わけがわからない、とでも言いたげに、龍牙が声を漏らす。だが事実、先にあのトンネルを抜けたのはC組の女子だった。 ただ、彼女の体操服が妙に黒いというか、軽く焦げたような痕がある。まさかあのボックスの中って……。 《そして、続くようにE組! っと、ここでB組もクリア!》 2人が出てきたのはほぼ同時。E組の方はさっきの彼女と同じような有り様で、翔に至っては全身びしょ濡れの状態だった。  
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