再びの学園行事

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その後、C組が2着、A組が3着でゴールした。脱落したクラスの順位は言うまでもない。ちなみに、最後の障害で2人の取った行動が模範解答だとは思うが、どう攻略したかは後で説明しよう。 「ただいま。ちょっと危なかったよ」 現在第2走者の5人が走ってる最中、出番を終えた翔が笑顔で戻ってくる。1着だったからなのか、余裕の表れか、未だに翔の笑顔の真意はわからない。 「お疲れー」 何はともあれ、帰還した英雄に労いの言葉を投げ掛けるB組一同。 翔は龍牙の隣に腰を降ろすと、今行われているレースに視線を向けた。 「この競技、先頭を走ってる人は絶対にゴールできないね」 みんなが思ってたことをボソッと漏らす翔。やはり経験者が語ると一層真実味が出てくる。 俺達も視線を移すと、レースは4つ目の障害に差し掛かるところ。この時点で既に1人脱落していた。失格になったのは間違いなく2つ目の障害だ。 「そういえば、3つ目の障害の中はどうなってたんだ?」 まだ乾き切っていない翔の体操服に気付き、気になっていたことを訊ねると、彼は忌まわし気に3つ目の障害を睨み付ける。 「水責めだったよ……」 どうやらあまり触れない方がいいらしい。予想は的中してたわけだし、詳しく訊くのはやめておこう。  
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