再びの学園行事

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第3の障害、炎と水のボックス。E組は迷わず赤の垂れ幕を選び、後を追うC組も躊躇いなく逆の垂れ幕を潜る。 わずかに遅れてきた皐月も青の方へ。D組は赤を選んだ。 そして数秒後、最初に姿を現したのは皐月だった。 《B組、ここでまさかの大逆転! 先を走っていたC組はどうなったのか!?》 皐月の属性は氷、選んだ障害は水。となると、大体の経緯は予想できる。C組があそこから出てくる確率は低いだろう。 炎の障害から2人が出てくる様子はなく、皐月は第4の障害へ。もっとも、皐月にとってこの仕掛けは障害にすらならない。 運動靴の足裏に足と同じ長さの縦長の氷の刃を形成する皐月。氷のブレードでできたスケート靴となったその足で4つ目の障害を颯爽と滑り抜ける。あまりの速さに、待機していた実行委員は魔法矢を放つ余裕がない。 でも、ダメだ。このままじゃ最後の障害で落ちる。 《さぁ、いよいよ最後の障害です! B組はこれをどう攻略する!?》 真っ直ぐ前を見つめる皐月はスピードを落とす気配はない。観戦している誰もが脱落を予想した時、皐月は突然右手を高々と掲げた。 瞬間、崖の上空に形成される、縦長の巨大な氷の壁。皐月が縦に腕を振り下ろすと、それは重力負荷の影響を受けて素直に落下する。 だが、氷壁は崖の幅より長く、蓋をするように崖の上に覆い被さった。  
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