再びの学園行事

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《続いての競技は綱引きです。1年生は入場門前に集合してください。繰り返します。1年生は入場門前に集合してください》 3年生の棒倒しも終わり、魔法の乱発で荒れたグラウンドを実行委員と先生方が修復している最中、グラウンドに綾部さんの声が響き渡る。 「行きましょうか」 そう言って立ち上がった唯を筆頭に、俺達も仕方なく重い腰を上げる。正直、綱引きは好きじゃないし、めんどくさい。でも、ここで点を取っておかないとな。 移動する集団に混じって入場門前に向かい、実行委員の指示に従って整列する。1年生の人数は200人。いくらグラウンドが広くても、1ヵ所に集中すれば当然狭い。 競技の準備ができるまでみんなと話していると、近くのスピーカーからマイクの電源を入れる音が漏れ出した。 《準備ができたようなので入場してください。皆さん、笑顔ですよ。しっかり腕を振って、足並みを揃えて。はい、いっち、に。いっち、に》 「幼稚園か!」 俺と龍牙を含む一部の生徒達のツッコミが重なった瞬間だった。 《アハハハハ! いいねいいねー。それでは改めて、1年生、入場ー!》  
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