復帰

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長々と話した龍牙はようやく口を閉じる。 「要するに、今の皐月には時間が必要ってことだよ。まったく……龍牙は説明が長いんだから」 だが結局は翔にまとめられた。 確かに長かったな……。 「でもね、実は私達光輝君に期待してるのよ?」 と、今度は宮世がよくわからないことを言ってくる。 「期待?」 「そっ、期待。理由はわからないんだけど、皐月って光輝君が来てから少しずつ昔みたいに戻ってるのよね。 だから今回ももしかしたら……って」 そこまで言うと宮世は……いや、みんなはニヤニヤしながら俺に不気味な視線を送ってきた。 「な、なんだよ?」 不覚にも一歩後退ってしまった俺。 それを見て、みんなは互いに顔を見合わせながら再び口を開く。 「確かにキミが来てから皐月は明るくなったな」 「まぁまぁ、彩華。恋をすれば人は変わるって言うし」 恋っ!? 「何だかんだで仲良いし、美男美女だし、俺達は応援してやるからな」 「私も最初に見た時からお似合いだと思ってたのよね」 おいおいちょっと待て! 「恋とか応援って何だよ!? 俺は如月のことそんな風に思ってないし、アイツだって……!」 「とか何とか言って、さっきも心配してたじゃねぇか」 「素直になりなさいよ。誰にも言わないから」 結局、俺は部屋に着くまでコイツらにからかわれ続けた。  
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