再びの学園行事

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早くも疲れ果てた状態で入場門を潜り、トラックの内側に横向きに置かれた1本の綱の後ろに整列してしゃがみ込む。 《それでは各クラスの学級委員1名は前にどうぞ。大事な大事な対戦相手を決める瞬間だよ》 B組からは示し合わせることなく長谷川さんを選出。5人の学級委員は前に集まり、実行委員は細い棒が飛び出た筒を5人の前に差し出した。 《公平を期して組み合わせはくじ引き。内1本はシードとなっており、無条件で決勝進出です。確実に高得点が取れるこの1本、是非とも狙っていきたいですね。んじゃ、パパッと引いちゃってください》 真面目なのか不真面目なのか、どっちにしろ、彼女の声を合図に5人は棒に手を伸ばし、すぐさま引き抜く。 1、2、3、4。棒の先にくっ付いていた板には4つの数字が書かれ、長谷川さんが引いたのは4だった。 1がD、2がC、3がE。そして厄介なことに、シードを引いたのは、A組。 《決まりました! 1回戦はD組対C組、E組対B組。そしてA組は決勝戦進出です!》 実況と共にA組から歓声が沸き上がる。さっきの棒倒しで無得点だった分、ここで得点が入ることは願ってもない展開だろう。 いよいよ厄介だな……。  
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