再びの学園行事

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何が起きたかわからなかった。気が付けば尻餅をついていて、人や空を見上げていた。 《これは……まさかの奇襲!? C組、完璧にB組の油断を突いて決勝への道を勝ち取りました!》 油断……。確かにそうかもしれない。普通は警戒しないだろう。相手がさっき自分達が使った方法で仕掛けてくるなんて。 「くっ……! よくも……!」 そして、一番悔しいのは皐月だ。自分の魔法で負けるなんて、皐月にとって屈辱以外の何者でもない。 迂闊だった。もう通用しない、同じ手はこの競技では使わないと、そう思って、相手が使ってくることは予想してなかった。 立ち上がり、A組に場所を譲るため足を動かす。拳を握り締めて動こうとしない皐月の肩に手を添えて移動すると、退場門に差し掛かった所で彼女が口を開いた。 「光輝……、C組を潰すわよ……」 一息漏らしてから、あぁと頷く。こうなると思ってたよ。でもまぁ、考えようによっては良い事だよな。 今の皐月の眼は、誰が見てもわかるぐらい何かに燃えていた。それが復讐だってんだから、事情を知ってるヤツからすると笑うしかない。 何にせよ、皐月のエンジンもかかってきたことだし、原動力が何であれ、次の競技は絶対勝つ! プログラムによれば、次は確か――  
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