再びの学園行事

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この二人三脚は各クラスから4組ずつ、計20組でのレースを5回行う。参加する4組は適当。さらに、あまり時間をかけるわけにはいかないため、前の20組が4分の1地点を通過した時点で次のレースが始まる。もたもたしてると後者に抜かれ、その先頭がゴールした時点で前レースは終了となる。早い話が失格というわけだ。 つまり、俺達の作戦を実行するためには、後ろの心配をしなくていい最後のレースが有利ってことになる。 俺は皐月の肩を叩いて誘導し、さりげなく後ろの方に回る。前にいたら最後まで残れる可能性は低いからな。 競技が始まると、予想通り、前の方にいたペアがレースに組み込まれる。しかも運の良いことに、A組の1組には架神の姿があった。アイツと戦えないのは残念だけど、強者は1人でも少ない方がいい。 発砲音と同時に第1走者がスタートすると、すぐに第2走者が準備に取り掛かる。翔と彩華も選ばれ、ベルトで足を縛って少し経った頃、再びの発砲音で彼らはスタートした。 「結構早いな。こりゃ出番はすぐだぞ」 皐月にではなく、自分に言い聞かせるように声に出し、高まってきた緊張を誤摩化す。 第3走者がスタートした頃には、すでに第1走者のトップが姿を見せていた。 《おぉっと、早くも第1走者が戻ってまいりました! 先頭はE組です! 後続の姿はまだ見えない!》  
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