再びの学園行事

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第1走者トップのE組は難なくゴールし、第4走者が準備を始めたところでちらほらと数組が戻ってくる。架神の姿が3番目にあったのには驚いた。いくら強くても力を合わせるのは苦手らしい。架神の言動を思い返せば当然か。 彼らがゴールしたのに合わせて第4走者も出発する。その内の1組に龍牙がいた。次はいよいよ俺達の番だ。 「あれ、こんなところにいたのね。てっきりもう走ってるのかと思ってた」 横からの声に視線を向ければ、そこにいたのは唯と松井さん。唯のパートナーは松井さんだったのか。 「作戦だよ。2人こそまだだったんだな」 言葉を返すと、唯は得意気に胸を張って口を開く。 「私達も作戦。多分考えてることは同じね」 お互い口元を緩めると、実行委員からお呼びが掛かる。スタート地点に並んで足を縛り、後ろから第1走者の集団がやってくるのを眺めながらスタートを待つ。 そして集団がゴールする直前、俺達も飛び出した。 予め決めていた、縛ってない方の足から1歩目を踏み出し、順調なスタートを切る。いきなりハイペースで走るペアもいれば、逆転を狙って体力を温存してるペアもいる。俺達は当初の予定通り、先頭集団と後続との間を走っていた。 ちなみに、唯達は後ろの集団に混じっている。  
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