再びの学園行事

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後ろから飛んでくる魔法を、防御魔法で防いだり、攻撃魔法で相殺したりしながら走る。氷と雷の魔法だが、どうやら攻撃してきているのは1組だけ。後続の先頭にいるD組の男女ペアらしい。 「チッ、しつこい!」 前からの流れ魔法も処理しなければならないし、このままじゃこっちのペースが崩れる。あの1組だけでも潰しとくか? ふと前を見れば、上位集団は早くも角を曲がり、俺達の視界から姿を消す。仕掛けるならあそこだ。 「皐月、あそこを曲がったら攻撃の準備しとけ。後ろのヤツらが曲がってきたところを狙うんだ」 「命令すんじゃないわよ。アンタは防御に集中してなさい」 いつものやり取りを交わし、お互いの役割をこなしながら曲がり角までの距離を詰める。 角を曲がると予想通りの長い直線が視界に映り、少し先で3組のペアが倒れていた。それには触れず、すぐに後方を確認する。あのペアの姿は見えないが、距離とスピードを考えればそろそろだ。 「3、2……」 1と同時に2人が現れる。予想より向こうの方が速い。 しかし皐月の魔法発動も早かった。端から俺のカウントダウンは当てにしてなかったようで、彼らの足が見えた時にはすでに魔法を発動。 「【氷針衝波】」 振り向き様に腕を振れば、水が飛び散る瞬間に凍ったかのように、氷の針を形成しながら2人に向かって一直線に地面が凍っていく。  
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