再びの学園行事

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角を曲がってきた2人は目の前に迫る魔法に驚き、回避という行動を選択する。けれど2人は別々の方向に跳んでいたため、お互いの足が引っ掛かり、伸びたベルトに運よく針が突き刺さって離れることができた。 「おいおい、今のは危ないだろ」 「いいのよ。もし刺さってても魔法で治るんだし、見た目ほど威力はないし。大体、先に仕掛けてきたのは向こうよ? 初撃がどんな攻撃だったか覚えてるでしょ?」 ……あぁ、確かに。 「んじゃ、そろそろ反撃開始といきますか!」 気を取り直して前を見据える。俺のスピードに皐月が合わせるのは難しいので、皐月の最高速に俺が合わせる。 後ろから追い掛けてくる俺達を気にせずドンパチやってる連中に向けて、皐月は一言。 「退きなさい」 言って、小石程度の氷を無数に放つ。1つ1つの威力は小さくても受け続ければそれなりに痛い。ペアのどちらかが体勢を崩すと、もう1人も巻き込まれて地面に倒れる。そうやって敵のいないルートを選んで、すれ違い様に俺が左手の人差し指を弾く。 「おまけだ。【光爆】」 瞬間、俺達の背後で強烈な光が弾け散る。所謂目眩まし。これで少しは時間が稼げるだろう。 そういえば、後ろに唯達ともう1組B組がいたはずだけど、巻き込まれてないよな?  
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