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そして時間は進み、現在6時。
約束の時刻になったと同時に、俺は二度学園長室の扉をノックした。
「どうぞ」
「失礼します」
ゆっくりとドアを開けると、そこには高級そうな黒いソファーに腰掛けた真衣さんと、テーブルを挟んだ向かいに座る修司さんがいた。
「時間ピッタリね。さっ、入って」
そりゃ時間通りに来ましたから。と心の中で呟き、真衣さんに導かれて修司さんの隣に座る。
なんとも言えない座り心地……予想通りの高級ソファーだな。
なんてことを考えていると、俺が座ったのを確認した真衣さんが焦らすことなく口を開いた。
「どうして呼ばれたのか……わかってるでしょ?」
「もちろん。俺の……いや、コードの力についてですよね?」
俺の返答に真衣さんは満足そうに頷く。
「ということは全て思い出したのね……?」
全て思い出した……?
「待ってください。どうして真衣さんがそれを知ってるんですか?」
「質問してるのはこっちよ。どうなの?」
真衣さんは普段の優しそうな微笑みを消し、真剣な表情で俺を見つめる。
その威厳に圧倒された俺は正直に答えた。
「力の能力と使い方しか思い出してません」
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