再びの学園行事

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まぁ、過ぎたことを心配しても仕方ない。唯達なら多分大丈夫だろ。 そう割り切って、先頭を走っている3組を追い掛ける。B組、C組、E組。互いに魔法で牽制し合いながらの競争だ。 「攻撃は私の役目でしょ。アンタは余計なことしないでいいのよ」 「目眩ましも防衛行動だろ? あれぐらいいいじゃねぇか」 俺達も俺達だけど……。 とにかくだ。前に味方がいる以上、さっきみたいな無差別で広範囲の魔法は使えない。各個撃破で潰していくしかないか。 B組が1着2着でゴールすればかなりの得点が入るだろうし、できれば唯達にも続いてもらいたい。 「俺達が潰すべき敵は……」 「C組ね」 いや、確かにそうだけどさ、そりゃお前の望みだろ。E組も潰しときたいんだけど。 「そうと決まれば、早速やるわよ」 意気込む皐月の目は獲物を狙う狩人のそれと同じ。綱引きでのこともあるし、狩人より鋭いんじゃないかと思う。これを止めるのは野暮ってもんだよな。 Cと書かれたゼッケンの付いた背中に向けて、皐月の右手から魔法が放たれる。俺達が初撃に使われた氷の棘だ。 さすがに距離があったから気付いて防がれたものの、俺達の存在を意識させることはできた。これで向こうの注意をこっちに割ければいいんだけど……。  
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