再びの学園行事

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しかし皐月の攻撃は終わらない。C組より少し前方の上空に、細長く先の尖った氷柱を5つ形成。さながら氷の槍と化したそれは、真下を駆け抜けようとするC組の男子2人に降り注ぐ。 相手も今回は別々の方向に跳ぶなんてことはせず、迫る危険を冷静に察知し、2人同時に同じ方向へ跳んで躱した。 「ちょこまかと……!」 皐月の猛攻は続く。C組に向けた右手をグッと握り締めれば、2人の背中に渦を巻くように冷気が集まり、次の瞬間には大気が凍り付いて小さな結晶と化す。幸いというか残念というか、動く2人を捉えることはできなかったけど……。 これはもう俺が何を言っても無駄だ。元々俺の言うことを聞くようなヤツじゃないし、今のコイツはC組に対する執着がハンパない。大人しく防御に徹しよう。 なんて思ったそばから、早速反撃の魔法が飛んでくる。螺旋状に渦を巻き、先端が鋭く尖った水流。これは防ぐよりも―― 「【光焼波】」 俺の放った魔法が正面から水流を撃ち抜き、蒸発させて跡形もなく消滅する。閃光はそのまま延長上にいる彼らを襲い、間に現れた光の壁によって遮られた。 あっちも光属性か。 「安心するには早いのよ!」 相手からすれば嫌になる4度目の攻撃。今度こそ逃がさないように彼らの周囲の大気が凍り、複数の柱が束になって壁となる。そしてトドメに、2度目と同じ魔法。壁の中から彼らの悲鳴が飛び出した。 「今度こそマズいんじゃないか?」 「大丈夫だって言ってるでしょ。ちゃんと急所は外してるわよ」 そういう問題じゃないと思う。  
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