再びの学園行事

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《午後の部最初の競技、借り物競走! ルールは簡単。トラックを半周した地点に置いてあるお題を選び、指定されたものを持ってスタート地点に着けばゴール! 制限時間は20分。時間内にゴールできなかったクラスはマイナスポイントです。お題の変更はなし、誰かのお題を奪うのも失格です。お題は慎重に選ぶことをオススメします。それでは、選手入場!》 綾部さんの合図を受けて、続々と入場してくる選手一同。1クラス10人が5クラス、それが3学年。総勢150人がスタート地点に集まった。 《時間もないので、一斉スタートです。準備はいいですね?》 ダメですと言っても止まってくれないだろう。 しかし、何だこのルール……。確かに分けてやったらすごい時間かかりそうだけどさ、150人スタートってマラソンの最初みたいじゃん。上級生の優しさなのか、大半の1年生が先頭に集められてるけど。 例によって、実行委員のピストルで競技開始。先頭の1年生達は勢いよく駆け出し、最後尾の方の上級生達は呑気に歩いてスタートを切った。 正にマラソンの如く、走るスピードでいくつもの集団に分かれ、簡単に言えば、1年生、2年生、2、3年生といった形となる。先輩達はこの競技が運によるものだと割り切り、焦ることなく残り物に懸けてるみたいだ。なるほど、これが経験の差か。 とか何とか感心している間に、先頭集団が半周地点に到着。地面に大量に散撒いてあるカードを見下ろし、どれを選ぶか悩んでいる。すぐ近くには実行委員が2人いるため、不正はできないだろう。 1人、また1人とカードを選び、リアクションは人それぞれ。嬉しそうに走り出す生徒もいれば、だらりと腕を垂らして歩き出す生徒もいた。  
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