再びの学園行事

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《さぁさぁさぁ! 皆さん苦戦してますねー。未だクリアした選手は現れず! 最初にクリアするのはどのクラスになるのでしょうか?》 楽しそうな実況の声が響き渡る。すると狙ったように、1人の男子生徒がスタート地点へ走っていく。体操服の色は赤、ゼッケンの記号はB。 《おーっと、早速1人目がやってきた! 2年B組です!》 彼はスタート地点を駆け抜けると、待機していた実行委員にお題と持ってきた物を見せる。1秒、2秒……。観客が見守る中、実行委員は両手で大きく丸を作った。 途端、2年B組の陣地から歓声が沸き上がる。勝敗はクラス別で決まるため、同じB組の俺達にとっても喜ばしいことだ。 《あっさりとクリア! えーっと、何々……。えっ、コレ? わかったわ。どうやらただ今のお題はバナナだったようです!》 「アイツか!」 ちょっと前に声を聞いたような気がするんですけど! ってか誰がバナナなんて持ち歩いてたんだ!? ……いや、待てよ? 朝霧先輩がこの競技を知ってたってことは、少なくとも2年前に一度やってるってことだよな? それなら先輩達が対策としてお題になりそうな物を持ってきているってことも……。なるほど、経験の差だな。 先輩達の対策(?)により、続々とクリア者が現れる。それにしても、唯はどこに行ったんだろう?  
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