再びの学園行事

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指示通り4人で固まって待つこと数分。最早聞き慣れた声がスピーカーから流れてくる。 《ここでご承知の通りルール説明! 騎馬戦と言えば知っての通り、4人1組で騎馬を作り、騎手の帽子や鉢巻きを奪う競技なのですが……。我が学園がそんな甘っちょろいルールを適用するわけがありません!》 「普通でいいのに……」 そんな俺の呟きなど聞こえるはずもなく、綾部さんは続きの言葉を紡ぐ。 《ということで、騎馬戦での勝利条件は騎手を地面に落とすことです! 当然の如く魔法の使用はありなのですが、ここで制限が加えられます。騎手は攻撃魔法、騎馬は防御魔法しか使ってはならないというルールです! ちなみに、騎手のみ直接攻撃が認められています。男女分かれての勝負ですので、力の差はないでしょう》 そういうことらしい。最初にルールを聞いた時はげんなりしたもんだ。まぁ今更だけど。 一通りルールの説明を聞いてる間に、借り物をクリアできなかった最後の選手が退場する。さて、やれるだけやってみるか。 《それでは入場してもらいましょう。まずは男子から》 「よっしゃ! 行くぞ、光輝」 「おぅ!」 B組女子達からの声援を受け、俺達は門を抜けてトラックに沿った適当な場所で足を止める。実行委員の指示で騎手は裸足になって下の3人の腕に跨がり、25組の騎馬が立ち上がった。  
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