再びの学園行事

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《得点が入るのは上位5組。最後まで残ったクラスに高得点が入ります。それでは、スタートです!》 今回はピストルではなく、その声が合図だった。それと同時に一斉にトラック内へ踏み出す25組の騎馬。開戦早々、早速クラス間で魔法が飛び交う。 俺達はクラス最速の利点を生かし、狙いを最も近いC組の1組へ。当然気付かれて牽制の魔法が飛んでくるが、龍牙の指示と息の合った連係で回避。防御魔法を使うことなく、あっという間に距離を詰めた。 「【光弾】」 こちらの射程に入るや、俺も広範囲に及ぶ初級魔法を放つ。相手に向けた指先の一点から拡散して飛んでいく、数百もの小さな光の弾丸。それらはC組の騎馬を包むように巻き起こった風に遮られたが、代わりに相手からの迎撃が止まる。その間に龍牙達は一気に目の前まで迫り、相手の防御魔法が解除されると同時に、俺はすれ違い様に騎手の身体を押して騎馬上から突き落とした。 騎手の彼は背中から地面に落ちるも、多少咳き込んだぐらいで大したケガをした様子はない。それに安堵し、俺は視線を正面に戻す。 「ナイス、光輝! 順調な滑り出しだ。このまま一気に蹴散らそうぜ!」 龍牙の声に返事をする前に、俺の目は新たな獲物を捉える。クラスはD。明らかに俺達を狙ってこちらに向かってきていた。  
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