再びの学園行事

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俺達の出番が終わったから割愛させてもらうが、結果的に騎馬戦を制した上位5組は当然C、D、E組で埋まっていた。高得点を取ったのはE組だ。どんな展開だったのかは語る必要はないだろう。 A組とB組の面々がこれ以上ないくらいにテンションを落としながら、男子は退場。それに伴って女子が入場し、俺達が陣地に戻った頃に競技が始まった。 しかしとても……とても醜い。死ねだのブスだのはまだ序の口。血走った目で魔法を放ちながら笑う姿は正に魔女。いや、悪魔だ。あまりに恐ろしい光景に、俺達男子は身を寄せあって震えていた。 「何だ、この地獄絵図は……」 「恐ろしい……。恐ろし過ぎる……」 「女子怖い……女子怖い……」 「早く終わんねぇかな……」 B組一同が口々に呟く中、犠牲者が次々と増えていく。そしてその犠牲者の山を築き上げている連中の中に、皐月と彩華の姿も確認できた。当然と言えば当然だけども……。 C、D、E組が俺達の時と同じ戦法を取っているにもかかわらず、我がB組は他を寄せ付けない圧倒的な力で敵戦力を薙ぎ倒していく。主に、例の2人が、だ。氷と雷のコンチェルトが凄まじい。 A組もA組で他クラスからの猛攻を凌いでいるし、俺達とは状況が全く違っていた。 「これは……いけるんじゃねぇか!?」 震える声で、誰かが呟く。その声には恐怖の色だけでなく、希望の色も含んでいるように聞こえた。  
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