再びの学園行事

65/115
前へ
/217ページ
次へ
何はともあれ、これでC組達との差が縮まったのは間違いない。2、3年生の競技も順調に終わり、再び俺達の出番が回ってくる。 リレーメンバーとバトンの受け渡しなど最終確認を済ませ、例の如く綾部さんからの呼び出しで入場門へ。そこで他クラスのメンバーを初めて確認し、予想通りと言うか、見知った顔を見つけた。 「おぃーっす、二宮、神城。お前らもやっぱりリレーメンバーだったか」 こちらが声をかけるより先に言葉を発したのは、特徴的な銀髪を前髪だけ藍色のヘアバンドで上げている嵐。なんか無駄に似合ってるのがムカつく……。 「おぅ、嵐。それはこっちの台詞だ。ちったぁ気ぃ利かせろよ」 なんて、顔を合わせるなりそんな言葉を発した龍牙の視線の先には、偉そうに腕を組み、横目でこちらを眺めている架神。あぁ、やっぱりメンバーだったか。 「何だ、二宮。僕がいることがそんなに不満か?」 架神は龍牙の視線に眉を顰め、組んでいた腕も解き、堂々とした態度で龍牙と向き合う。龍牙に対してだけ変にライバル視してるからな、架神のヤツ。まぁ、同学年で架神と肩を並べる実力があるのが龍牙しかいないってだけだけど……。 「いいやー、別にー。ただ予想通りってか、確信通り? めんどくせぇなーって思ってるだけだからよ。優勝が遠のくだろうが」 「それなら僕も言わせてもらうが、それはこちらの台詞だ。キミとそこの神城の危険性は僕がよくわかってる。僕と同レベルの実力と、上級魔法さえ簡単に消し去る防御魔法の使い手。敵に回してこれほど厄介な相手はいないね」  
/217ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8110人が本棚に入れています
本棚に追加