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「彼? それに、龍牙達もですか?」
「あぁ。キミ達と一緒にいる彼らも巻き込まれ兼ねないからね。できれば全校生徒を鍛えたいところだよ」
苦笑気味に笑う修司さんだが、俺は別のことを考えていた。
――巻き込まれ兼ねない……か。
「如月が狙われてる理由は教えてくれないんですよね」
「……すまない」
「そうですか……」
俺はため息をつくと、ソファーの背もたれに身体を預ける。
如月が狙われる理由……。ホントは薄々感づいてるんだよな。
「話はそれだけですか?」
「特訓のことを龍牙君達に話しておいてくれないかな。皐月君は今はそっとしておいてあげよう」
「わかりました」
要件を聞くと立ち上がり、扉の方へ歩き出す。
すると、
「あっ、それから」
「はい?」
何かを言い忘れたようで、修司さんも立ち上がった。
「光輝君は病み上がりだから、特訓は月曜日の放課後にするよ。みんなも受けるなら一緒に来てくれ。場所はいつも通りで」
「了解です。失礼しました」
今度こそ、俺は学園長室を後にした。
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