再びの学園行事

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《クラス対抗1200mリレー、1年生の部は、1着A組、2着B組、3着E組、4着D組、5着C組という結果になりました! 皆さん、健闘した選手達に拍手を!》 そんな放送を背に、俺達は大きな拍手を受けながら退場する。 2着だったんだ。十分喜んでいい結果なのに、やはり素直に喜べない。理由は言うまでもないだろう。 大逆転を演じたA組や、圧倒的な差をつけられて敗北したC組とは違い、残った3クラス――中でもB組とE組の面々は苦々しげな表情を浮かべていた。A組の大逆転で順位がズレたんだから当然だ。何よりあの状況から逆転されたことが痛い。それだけ架神の能力が他の1年と比べて一線を画しているということか。 『…………』 沈黙。 A組以外、誰も言葉を発さない。特にうちのクラスのアンカーだった山口君は、走り終えた直後に謝ってきて以降、ずっと俯いたままだ。俺達が怒ってないことはわかってるだろうから、架神に抜かれたことが相当ショックなんだろう。走りには自信あったみたいだし。 そんな重苦しい空気のまま他クラスとは別れ、各々自分達のクラスの陣地へ戻っていく。 俺達も陣地に戻るや賞賛の声を投げ掛けられ、架神だから仕方ないということで気持ちを切り替えた。山口君も時間が経てば復活してくれるだろう。 これで残すところは、最も危険そうなあの種目だけだ。  
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