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2、3年生の様子は例によって省略させてもらおう。強いて言えば、3年のリレーには隼人先輩が参加していて、当然のように危なげなくB組が1着だったということぐらいだ。
《さぁ、いよいよ最後の種目となりました! トリを飾るのは、学園全体を使った何でもありのレース、サバイバルマラソン! 参加する1年生は入場門前に集合してください。2年生は1年生が入場してから、3年生は2年生が入場してから集合ということでよろしくお願いします》
綾部さんからの誘導放送を聞き、1年各クラスからざわめきが起こる。それはうちのクラスも例外じゃない。
「やっと本命だな。待ちくたびれたぜ!」
「うむ。ようやく後のことを考えずに暴れられる」
待ち望んでいた種目なだけあって、龍牙も彩華もうずうずとした様子で席を立つ。その2人に釣られ、俺を除いたメンバーも次々と立ち上がった。みんなじゃんけんに負けて嫌々決まったはずなのに、今は覚悟を決めた様子で緊張した面持ちを見せている。
「こうなったらやってやる!」
「だね。当たって砕けろよ!」
「いや、砕けたくはねぇし!」
そんなやり取りで軽く笑い、彼らは入場門へ移動を始める。
その後ろ姿を眺めながら俺も立ち上がろうとしたその瞬間、脇腹に硬い何かが当たり、痛みとくすぐったさを併せ持つ感覚が突き刺さった。
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