再びの学園行事

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2段飛ばしで階段を駆け上がり、2階へ。 少し走れば、先頭集団の姿が廊下の角に消える。よしっ、少しだけど距離は縮まってる! 急ぎたくなる気持ちを抑えてペースを維持し、先程と同じ方法で角を曲がる。続けて2つ目の角を抜けた所で、周囲の景色が一瞬だけ輝いた。 「何だ!?」 走りながら視線を彷徨わせると同時、小さな揺れと共に、不吉な音が耳に飛び込んでくる。 ゴゴゴゴゴゴ……。 ドドドドド……。 ザザザザァ……。 そんな感じの音。 「……気のせいかな? なんか聞いたことある音なんだけど」 「あぁ、私もだ。特に浜辺で」 「おいおい、ってことはまさか……」 ふと、廊下の壁が光を反射していることに気付く。窓は当然としても、よく見れば教室の扉、天井もそうだ。 先程の一瞬の輝き。反射する壁。これって……。 「光壁だ! 廊下全体に防御魔法が展開されてる!」 言うや、窓ガラス越しに向かい側の廊下の様子が目に映る。 青だ。鮮やかなエメラルドブルー。透明な窓が次々と青く染まっていく。それを引き連れているのは、同じく透き通ったエメラルドブルーの龍。 「走れ! 全力で!」 ペース配分など気にせず、俺達は全力で走り出した。  
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