再びの学園行事

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「マジかよ……」 「信じられん……」 キョロキョロと周囲を見回す龍牙と彩華。だが間の悪いことに、講堂の迷宮を突破してきた後続達が姿を現す。ここのトラップはたった今消しちゃったわけだから、ぐずぐずしてると追い付かれ兼ねない。 「走るぞ、2人共!」 俺達も架神達を追い掛けて体育館を飛び出した。 「おい、光輝。後で詳しく聞かせてもらうからな」 「うむ。だが今はあの3人に追い付くことが先だ」 「……おう!」 そう言ってる間にも、俺達の視界は3人の姿を捉える。すぐにコードの力を使ったおかげでそこまでの差はない。向こうも後ろを走る俺達に気付いたみたいだ。 「なっ!? どうして彩華ちゃん達がこんなに早く……!?」 声を発したのは嵐だが、架神も東條も振り向いて目を丸くする。 その一瞬が隙となった。 「【避雷針】」 彩華が人差し指を伸ばした右手を縦に振り下ろせば、凄まじい速さで雷属性の攻撃が炸裂する。 晴天の中、3人の頭上に浮かび上がった1つの魔法陣から降り注ぐ青い稲妻。それは圧倒的な速さで3人に命中し、視界を遮るほどの砂塵を巻き上げた。  
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