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「【豪炎弾】」
「【光焼波】」
「【黒爪刃】」
「【衝雷破】」
火、光、闇、雷。4つの属性の魔法が飛び交う中、俺と龍牙、架神と東條はお互いに次の魔法を準備しながら併走する。
どうにか架神達に追い付いたものの、待っていたのは攻撃魔法の応酬。こうなってくると経験値が圧倒的に少ない俺が不利だ。
架神が爪を立てながら腕を振るえば、漫画やゲームの如く、黒に染まった5つの三日月型の衝撃波が俺達を刻もうと迫る。
東條が一歩だけ地面を強く踏み込めば、そこを起点に青白い電撃が弾け、地面を爆ぜながら這い迫ってくる。
どちらも直線的な動きのため、2人の魔法は俺達が駆け抜けた場所を通過していく。でもまぁ、それは俺と龍牙の魔法も同じだった。
「あぁ、くそっ……。やっぱ簡単には当たらないか」
疲れからのものとは違う冷たい汗が首筋を伝うのを感じながら呟きを漏らす。さっきの魔法に当たってたらと思うと震えが止まらない。走ってるから震えなんて感じないけど……。
「だな。なら範囲を広げてみるか」
俺の独り言を聞いていたらしい龍牙が右手を開くと、5本の指の上に小さな火球。見覚えのある魔法だ。
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