再びの学園行事

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「んじゃ俺も。【光弾】」 龍牙が5つの炎を投げ付けるのに合わせて魔法を発動。架神達に向けた人差し指の先から何十もの光の玉が様々な軌道で飛び出していく。こんだけ撃てばどれか当たるだろ。 「【闇手】」 しかしある意味予想通り、黙ってやられる架神じゃない。 アイツが迫る魔法に対して片手を翳すと、その前方に黒い霧が集まっていき、巨大な手が形作られる。それが俺達の炎と光を防いだかと思えば、架神は開いていた手をグッと握り締め、一度腕を引いてから拳を突き出した。 するとどうだろう。巨大な手は架神の動きと連動して拳を作り、アイツの突きに押し出されたかのような様子で俺達に迫ってくる。 「ヤベッ… …! 【光焼波】」 咄嗟の反応だった。と言っても、詠唱破棄できる遠距離の中級魔法はこれしかなかったんだけど……。 輝く手の中央から放たれる光線が巨大な拳を貫き、その向こうにいる架神達を狙う。だが先読みもしていない直線的な攻撃が当たるはずもなく、結局は先程の応酬と同じ結果となった。 そして今更ながら、【光焼波】に貫かれた【闇手】とやらは、穴が空いた所を起点にぼろぼろと崩れ始め、元の霧に戻るや文字通り霧散した。 攻撃魔法を攻撃魔法で防ぎながら反撃。こんなの続けてたら心臓が破裂し兼ねないっつーの。  
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