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◆ ◆ ◆ ◆
《さぁさぁさぁさぁ、ここでようやく先頭走者のお帰りです! トップはB組。そしてそれを追うA組。あとはトラックを1周するだけ! 後続がいない今、果たしてどちらのクラスが勝者となるのでしょうか!》
グラウンドに近付いたことで再び聞こえてくる実況。それによってゴールが近いことを実感しながら、龍牙はグラウンドに続く道を駆ける。
その彼の後ろを走るのは、A組の代表走者、東條 睦月。
「くっ……。【雷鳴】」
なかなか埋まらないわずかな差に業を煮やす睦月。青白い光を纏い、バチバチと稲妻が弾ける右手を龍牙に向けた矢先、彼の手元から一筋の閃光が放たれた。
「っと」
それは目にも留まらぬ速さ。しかし龍牙は軽く横に跳び、危なげなく躱してみせる。
その後も2発、3発と閃光が瞬くが、ことごとく避けられ当たらない。その間にも、龍牙は最後の1周を走るべく、グラウンドに足を踏み入れた。
入場門を潜ったところで歓声が湧き上がり、B組からの声援が飛ぶ。遅れて、A組からの激励。
(直線的な攻撃じゃ当たらない……)
その声を受けながら思考を働かせた睦月は、トラック半周地点の直線で一か八かの賭けに出た。
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