再びの学園行事

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その後しばらくして、後方から追い付いた彩華と嵐と合流し、あの後何があったのかを聞かされながらグラウンドへ。 すでに2年生のレースが始まっている中、嵐と別れてクラスの陣地に戻れば、我らが1年B組は龍牙を中心に大いに盛り上がっていた。 「おっ。みんな、主役がお戻りになったぞ」 龍牙の言葉に反応し、クラスメート全員の視線が俺達に集中する。嫌ってわけじゃないけど、なんだか居心地が悪い。 「主役はお前だろ。俺達は別に……」 「いやいや、お前らが足止めしてくれなきゃ勝てなかったって。特に架神の相手をしてた光輝はもはや主役以外の何者でもないだろ」 うんうんと首を縦に振るクラスメート達。気持ちは嬉しいが、あれは足止めと言えるんだろうか? そういう意味では主役は彼女だろう。 「今回一番功績を上げたのは彩華だ。おかげで後続が全然来なかったしな。ってわけで、みんな拍手!」 俺が手を叩きながらそう言えば、すかさず拍手が湧く。少し強引だったけどこれでいい。ホントのことだからな。 「お、おい……。むぅ……。こういうことには慣れてないんだが……」 照れる彩華は次第に口を噤む。しかしそろそろ周りに迷惑なので、俺達は黙ってレースを観戦することにした。  
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