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そして時間は進み8時頃。
今までの時間は生き地獄だった。
空腹を紛らわそうと再び寝ようとしたが、こういう時に限って眠れやしない。
あぁ……これ以上は思い出したくもないな。
さっき看護婦さんが朝食を持ってきてくれたんだが……うん。
栄養はあるんだろうけどね……うん。
物足りない。食堂の飯が食べたいよ。
「はぁ……ごちゃごちゃ言ってても仕方ないか」
ため息をつき、クローゼットの中に掛けてあった制服に着替え始める。
暑くなってきたのでブレザーはなく、白いYシャツに紺色を基調としたネクタイ。
至って普通の制服だ。
新品に替えてくれたのか、焦げた後などもない。
今日は土曜日。魔術だけとはいえ学園がある。
あんなことがあったのに……いや、あんなことがあったからこそ休みにはならないらしい。
こっちは休みたい気分だってのに……。
ものの数分で着替え終わると、シャツの袖を捲り、イスに座って龍牙達が来るのを待つ。
看護婦さんが言うには、アイツらが来たら勝手に出て行っていいらしい。
適当と言うか何と言うか。
まぁ、めんどくさい手続きなどをしなくて済むから楽でいいんだが。
――コンッコンッ
ちょうどその時、静かな病室にノック音が響いた。
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