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「で、結局どういうことなんですか?」
逸れた話を本題に戻し、改めて尋ねると、今度こそ修司さんが話し出す。
「どういうことも何も、特訓だよ。
刀を使う光輝君には同じく刀を使う隼人君がいいと思ってね。
キミが鍛えるに価するかどうか戦って判断し、価するなら引き受けるという約束を交わしてくれたんだ。
龍牙君と彩華君は俺の担当で、後々のために力の差をわからせてあげたってわけさ。
嵐君はホントは隼人君の担当なんだけど、1対1の勝負を邪魔しないように俺が相手をしてただけだよ」
修司さんが口を閉ざすと、俺は入学したばかりのことを思い出す。
――そういえば、教えてもらえ的なこと言ってたな。
それがホントに河瀬先輩だったとは……。
ってか、自分で頼むんじゃなかったっけ?
そう昔のこと(と言ってもそれほど月日が経ったわけじゃないけど……)を懐かしんでいた時だった。
「うわぁぁぁっ!」
「きゃぁぁぁっ!」
突如耳に届いたのは翔と宮世の悲鳴。
俺達が声の方に視線を向ければ、地面から伸びる2つの巨大な茶色い手が、2人の身体を鷲掴みにしているところだった。
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