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「フフッ……捕まえた」
語尾にハートがつきそうなほど妖艶な声を出して姿を現したのは副会長。
ってことは、この魔法は副会長が使ったということになる。
2人共なんとか抜け出そうともがいているが、土属性の翔ですら動くことができない。
「すげぇ……」
思わず漏れた感嘆の声。
すると何故か河瀬先輩が得意気な笑みを浮かべた。
「美琴の束縛魔法は強力だからな。防御系の魔法ならこの学園の教師も適わないぜ」
「美琴?」
「何だ知らないのか? アイツの名前だよ。朝霧 美琴(あさぎり みこと)。俺の自慢の幼なじみだ」
今度は誇らしげに胸を張る先輩。
だからって先輩が得意気になる意味がわかりませんよ……。
「あっちは決着が着いたね。残るは……」
俺が呆れていると、修司さんが唇を震わせる。
その視線の先は言わずともわかるだろう。
真衣さんと坂上だ。
坂上の手には彼女の武器である短剣が握られている。
そして真衣さんは、羽衣……とでも言えばいいのか、透明に近い白い布を身に纏っていた。
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