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真衣さんの後ろに回り込んだ坂上は振り向き様に短剣を振るう。
だがその斬撃すらも真衣さんを避けるように横に逸れた。
「えぇっ!?」
当然、剣を握っていた坂上の身体が傾く。
それを見て伸びる真衣さんの細い腕。
瞬間、真衣さんの手が白く輝きだした。
――アレは……!
「っ!」
真衣さんのやろうとしたことがわかったらしい坂上は、倒れる身体を無理矢理反転させ、両腕を振り抜く。
その手からは再び6本の短剣。
真衣さんは1本は顔を傾けて躱し、1本は羽衣で軌道を逸らし、残りはその場から飛び退いて避けきった。
「あ、危なかったです……」
背中から倒れた坂上はすぐに身体を起こしてそう漏らす。
確かに危なかった。恐らくあれは……あの上級魔法は――
「やるわね。私の魔法を発動前に防ぐなんて……。
でも、おかげであなたの武器の能力はわかったわよ?」
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