特訓開始

15/35
前へ
/217ページ
次へ
真衣さんの後ろに回り込んだ坂上は振り向き様に短剣を振るう。 だがその斬撃すらも真衣さんを避けるように横に逸れた。 「えぇっ!?」 当然、剣を握っていた坂上の身体が傾く。 それを見て伸びる真衣さんの細い腕。 瞬間、真衣さんの手が白く輝きだした。 ――アレは……! 「っ!」 真衣さんのやろうとしたことがわかったらしい坂上は、倒れる身体を無理矢理反転させ、両腕を振り抜く。 その手からは再び6本の短剣。 真衣さんは1本は顔を傾けて躱し、1本は羽衣で軌道を逸らし、残りはその場から飛び退いて避けきった。 「あ、危なかったです……」 背中から倒れた坂上はすぐに身体を起こしてそう漏らす。 確かに危なかった。恐らくあれは……あの上級魔法は―― 「やるわね。私の魔法を発動前に防ぐなんて……。 でも、おかげであなたの武器の能力はわかったわよ?」  
/217ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8110人が本棚に入れています
本棚に追加