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「あなたの武器の能力は〈増殖〉……のようなものね。だから瞬時に複数の短剣を出すことができる。
恐らく本体は……スカートの下の太ももにでも括り付けてあるんじゃないかしら?」
どう?とでも言うような表情で坂上を見据える真衣さん。
それに対し坂上は何故かニッコリと微笑み、
「当たりです。さすが学園長ですね」
右足の太ももが見えるぐらいまでスカートを捲った。
露わになる白い太もも。そしてホルスターのようなものが太ももに巻き付けられていて、そこに本体である短剣が刺し込まれていた。
「でももうこれは使いません」
ふと、坂上がスカートから手を放す。
「その羽衣に武器は効かないみたいなんで――」
そしてその手を上げ、真衣さんに人差し指を向け、
「魔法でいきます。【光矢】」
彼女の指先から白い矢が放たれた。
しかし、
「残念でした」
真衣さんは再び腕を振る。
矢が羽衣に触れた瞬間、それすらも真衣さんから軌道が逸れた。
「この羽衣の能力は〈屈折〉。物理攻撃だろうと魔法だろうと、如何なる攻撃も私には当たらないわ」
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